矯正歯科 (診断)

良好な治療結果を達成する上で、的確な診断はとても重要です。診断により、治療方針、治療内容が決まり、それにより治療結果が決まるからです。

口腔は、顔を構成するひとつの器官ですから、歯並び、咬み合わせの状態は、顎顔面全体の形態、機能と密接に関わっています。従って、口腔機能と顔全体における口元の美観との調和を達成する上で、機能、美観上の問題点を、口腔内だけでなく、顎顔面全体の機能、形態の中で捉える診断が重要となります。

そのため、通常、矯正治療にあたっては、顎顔面の形態的位置関係を診る頭部規格X線写真を主とし、下記の検査資料をもとに診断を行います。

従来の検査診断

通常の検査診断

顔の横顔や歯全体のX線写真※や歯型模型、口元の写真等の資料をもとに、横顔における歯列と骨格との位置関係を評価することで、問題点を把握し、治療目標と治療方針を決定します。

セファロ パノラマ 模型

※当院では、デジタルX線撮影システムを採用し、すべてのX線撮影において、X線照射線量の軽減を図っています。

但し、1940年代に考案され、今でも主要な診断資料として多用されています頭部規格X線写真は、X線が放射状に広がりながら照射され、平面投影された像であることから、照射部に近い部位が、離れた部位に比べ大きく投影されるように、照射部と被写体との距離の違いにより、投影される像の大きさが異なるという課題があります。側面撮影では、左右方向に拡大率が異なるため、左右の中線をとって拡大の違いを補完することができますが、正面撮影では、拡大率が異なる前後方向に対となる構造物がないため、中線による補完ができません。そのため、正面撮影では、撮影向きにより、投影された左右像の大きさが一定しないため、診断資料としての信頼性が低く、当院では撮影していません。このように、従来のX線写真診断では、左右平均した横顔の形態は判っても、立体的な形態、位置関係、特に顔の美観にとって大切な左右差、対称性を把握することができないという根幹的な課題があります。そのため、当院では、左右対称性や立体的な形態の評価が必要と思われる症例においては、3次元CT撮影をお勧めし、その撮影CTデータから立体的構築した顎顔面3次元CT像を診断に活用しています。

定位3次元形態解析、診断

CT撮影したから、撮影データをそのまま表示しただけで、診断に活かせる訳ではありません。診断、治療に必要な根拠を引き出す的確な画像解析が必要です。例えば、モニターに表示される3次元CT像の正面向きは、撮影時の向きであって、臨床的に根拠性、再現性のない向きで、撮影の度に表示向きが異なります。立体CT像を診断に活かすためには、評価に最適で、再現性のある向きに設定する必要があります。例えば、立方体は、真正面、真横、真上から見ないと正方形には見えず、それ以外の方向では外形が異なり、立方体であることを確認することが難しいように、3次元CT像においても、臨床的根拠に基づく真正面、真横、真上といった形態評価に最適な向きを設定できないと、観る度に異なる向きでは正しい形態的特徴の評価ができないためです。これ以外にも、3次元CT像上で位置を把握しても、実際の口腔ないでその位置を特定できないと、観ただけで終わります。そのため、3次元CT像上の位置関係と実際の口腔上の位置関係とを関連づけることで、診断結果をより的確に治療に反映させることができます。このように3次元CT画像と実体との向きや位置を的確に関連づけて画像解析ができる最新の定位3次元CT画像システムを用い、診断、治療に必要な根拠、情報の入手に3次元CTデータを有効活用し、診断、治療の的確性向上に努めています。

CT

3次元CT撮影装置

撮影X線線量を軽減した歯科用CT装置を設置しています。口腔内の限局した5~8cmの小領域撮影から顔全体まで広範囲に撮影できる歯科用CTでも大型のものを設置してしますので、顎顔面のCT撮影も当院で可能です。


セファロ before after

定位3次元形態計測

撮影の度に異なるCT像の向きを臨床的根拠、再現性の高い向きに設定することで、正確な形態計測が行えます。


before after

例えば、顔の正面向きが撮影の度に一定しないと、左右対称性を評価することができません。定位形態計測により、一定の正面向きを設定することで、初めて左右対称性を正確に評価することができます。

機能解析、診断

機能面でも、顎運動解析装置及び筋電計測装置等の機能検査機器により、顎運動パターンや咀嚼筋の活性における偏りや問題点の有無を精査し、形態と機能とを関連づけて、解決すべき機能上の問題点の把握、診断に努めています。

顎運動解析

セファロ セファロ

筋電図計測

上に戻ります